更年期頃の月経過多「子宮内膜増殖症」と漢方

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更年期頃の月経過多「子宮内膜増殖症」と漢方

更年期障害のある世代(40代後半~50代前半)の方のご相談でよく見られるのが

「子宮内膜増殖症」

と呼ばれるトラブルで、月経不順がありその影響で月経の量が異常に増え出血過多になってしまうというご相談です。

主に・・・

☑月経過多

☑貧血による動悸・息切れ・倦怠感

☑月経中や月経後の頭痛

☑腹痛(生理痛)

☑排卵期など月経期以外のダラダラ出血(不正出血)

などの症状が挙げられます。

なぜ子宮内膜が厚くなってしまうかというと、ホルモンバランスが乱れることでエストロゲンと呼ばれる子宮内膜を肥厚させるホルモンが過多になってしまう事と言われ、閉経後の場合は5mm以上の厚みがあると子宮内膜増殖症と診断されます(目安として50歳前後の閉経前で11mm以上と言われます)。

※ちなみに妊娠可能な世代は排卵前後で8~10mmあれば着床可能と言われますので、10mm以上前後は正常範囲内です。

子宮内膜の病理組織検査をしていただき、

・単純型子宮内膜増殖症→癌などのリスクの心配がほぼなし(経過観察)

・子宮内膜異形内膜増殖症→癌化のリスクがあるため治療や再検査などの可能性あり

という2つの分類になり、更年期世代の方はホルモンバランスが原因のためほぼ単純型に該当します。

中医学の観点から考えると、まずは「腎虚」(ホルモンの衰弱)から来ているため補腎が必要なのですが、取り急ぎ過剰な出血を抑え消耗を食い止める必要がありますので「止血」「清熱涼血」などの方剤を使って月経過多を早期に抑えつつ、失った「血」を補填する「補血」などに尽力します。

そして出血が止まった月経期間以外に「本治(根本を治す)」と呼ばれる体質改善をスタートする流れとなります。

当店でもかなり酷い出血で仕事も出来なくなった40代の女性に漢方で整えていただき無事に月経過多をコントロールした症例や、乳がん治療によるタモキシフェンの副作用で内膜増殖症になり、定期的に掻把を繰り返している期間に体質を整える「補気補血」や免疫を整える漢方などを使用して大きな不調やトラブルもなく治療を終えた症例もあります

原因は1つに限らず、更年期の時期に無理をしたりストレスを溜めたり慢性的な冷え性を放置するなど個々によって理由はバラバラですので独自にサプリや民間療法を試さずまずはしっかりご相談して体質を改善するようにしましょう

 

 

 

 

 

 

更年期頃の月経過多「子宮内膜増殖症」と漢方